うみゆり日記(新)

錦見映理子の日記です

誕生日なので、

のんびりブログを書いてみます。

去年の今頃を思い出してみると。感染者数がじわじわきてて、ちょっとこわくなってきた頃だったと思う。それで、温泉でのんびりしようかなとか都心の高めのホテルに一人で泊まろうかなとか、探していたのをやめた覚えがある。友だちとお祝いディナーには行ったけど、店に二組しか客が居なかったのも覚えている。

それから一年経った今。食事にはもちろん行けないし、メンタルが去年に比べてずっとダウンしていて、何かしたいとか買いたいとかも特に思わないのであった。

ゆううつが深まっている。知らないあいだにどんどん。

 

しかし、嬉しいことももちろんある。

『めくるめく短歌たち』が某私立中学の入学試験に使われたこととか。

藤田千鶴さんの第二歌集について書いた文章がまるごと使われていて、もちろん藤田さんの歌も載っており、設問には「藤田さんは」「藤田さんが」と名前が連発されていて、面白くてすぐ藤田さんに見せる。

藤田さんから、これ子どもにはかなり難しい問題では?とLINEがきたのでやっと気づいたが、中学入試ということは、小学生が解くのか!

『リトルガールズ』が去年高校入試で使われたから、これもなんとなくそう思いこんだが、中学だった・・・。12歳の子にはかなり難しそうな設問もあり。自分で解いてみたら、意図がクリアに読解されていることがわかって、とても良い先生が作ってくださったのだなと感じた。もしかして歌人だったりして。国語の先生の歌人、多いから。

 

誕生日当日には、オタク友だちからハーゲンダッツのギフトをいただいたり。

ゆうべは、友だちとラインのビデオ通話しながら嫌な作業(確定申告)をもうやりたくないとかつらいとか言い合いながらやっている最中に、日付が変わりそうなことに気づいた友だちが「あっウクレレ!」と急に弾き始めて、8日になった瞬間ハッピーバースデーを歌ってくれた。(以前にも歌ってくれたことをエッセイ集に書いたので読んだ人は知っていると思うけど、何年ぶりかで弾いてくれたのだった。嬉しかった。)

やりたくないタイプの手作業を、友だちとラインでしゃべりながらやるとだいぶ気が紛れて嫌さが半減することがわかったので、このところ毎晩そうしてなんとかやっているのであった。おかげで終わりが少しだけ見えてきた。

今日は午前中打ち合わせのため久しぶりに都心の某所に行き、一時間半ほど話し合ってから帰宅。休憩してから歩いて映画館まで行き、タイトルがひどいけど話題だし知っている名前も多数出てくるらしいから、「花束みたいな恋をした」を観てみた。自分にとって恋だと思う場面は一秒もなく(じゃあ私が恋だと思うのはどういうもの??)、しかし脚本技術はすごいので観なければよかったなとは全く思わない。いろんな意味でなるほどと思いながら夕食を買って、帰ってきた。友だちからムーミン切手を貼った誕生日メッセージが届いていた。

てちが出ているハーゲンダッツのCM、ゆうべやっとテレビで観ることができた。姿がかわいくてきれいなのはもちろんだけど、声がやはりとても好きだと思う。いろんなことを感じさせる声だ。声って、精神が乗ると思う。でも全ての人が乗せられるわけでもない。

対してラジオに出ている自分の声を聞き直すたびに、こんな子どもみたいな声なの?とびっくりするし、嫌になるのであった。いつもあんな子どもっぽい声なのか?? だいぶ、相当な、大人なんですけど。話している内容だって大人だと思うんですけど。あんな声じゃ、内容まで子どもっぽく聞こえるんじゃないかと心配。

もうすぐ生放送のラジオに出るようになって一年。最初のお試し版のときは、台本もろくに見る余裕がなく、何がなんだかわからないまましゃべっていたけど、今考えるとよく大丈夫だったな。昨日テレビ観ていたら、たまたま、あのときゲストでいらした井上あずみさんが歌ってらして、もう一年経つのだなとしみじみ思った。そのあいだに書いたもの、いまだ世に出ないまま、どうなるかいまのところ不明。なんとかなってほしい。コロナが早く落ち着いてほしい。

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