#恋発、中巻がリリースされて
(#恋発 というハッシュタグを『恋愛の発酵と腐敗について』の担当編集者の方が考えてくださいました。これでSNSで拡散したいですねって。早速ブログで使ってみる)
正直、有料の中巻以降はほとんど読まれないだろうと思っていました。
有料の全体ランキングは200位まで見られることをリリース前夜に確認して、この中に入るのはとても無理だな、ビジネス書とか雑誌もあるし、と思いながら寝て、翌朝開いてみたら、全体の2位になっていました。小説部門は1位。
どういうこと??とびっくり。
たぶんこれは、上巻を読んで、予約しておいて下さった方が多くいらしたということだと思います。
(T^T)←泣いてる
本当にありがとうございます。
私だったら紙の本が出るまで買わないと思う。そもそもスマホで読むとかしないと思う。だから本当に本当に、ここまで読んで下さった全ての方に感謝しています。
実は家族もほとんど私以外iPhoneじゃなくて、親しい友人もなぜかiPhoneが少なくて、周囲の人からの感想がほとんど届かないのです。
そんな中、友人に知らせたよ、とか会社の人に話したよ、とか言ってくれる友だちがいました。すごく心強かった。ぼんやりした不安の中にいるのでことさら。
「恋愛」という言葉から、ロマンチックラブ的なものを期待して読んでみたら全然違うじゃん、とがっかりする人いっぱいいるだろうな、とかすごく思っていましたし、今もそう思ってる。
でも、ごく少数でも、笑ったり泣いたりいろんな気持ちになりながら読んで楽しんでいただける方がいるといいな、と祈るように思っています。
とうわけで感謝とともに、今日は裏話を少し。
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『恋愛の発酵と腐敗について』というタイトルは、修正も含めて書く作業が全て終わってからつけました。
書いている最中は、タイトルまで考える余裕が全くなくて。仮タイトルはあったのですが、それにちなんだ場面を削除したために使えなくなりました。
担当編集者の方から、タイトルどうします?強めのが欲しいです、というようなことを言われたので(確かその頃には配信でのプロモーションをすることは決まっていました)、40個くらい考えて送りました。タイトルをつけるの、あまり得意ではありません。途中、もう誰かにつけてもらおうかしら、と逃げそうにもなりました。
本当は100個候補を出そうと思っていたのに、半分もいかずに力尽きました。40個の中から編集者のHさんが選んで下さったのは一つだけ。それは自分でもぴったりきていたので、わりとすぐ決まりました。
実は「恋愛の発酵と腐敗」というのは、書き始めるずっと前の、まだ登場人物さえぼんやりしていた段階に、キーワードとしてノートに書いていた言葉です。
その頃は、なぜか熱心にプロ向けのパンの作り方の本を読んでいました。発酵についての説明や、パンができる工程についての文章が、全て恋愛についての話のように、その頃の私には感じられたのです。
どうしてその本に出会ったのかは忘れてしまいましたが、恋愛小説を書きたいと思っていろいろ探っていたのだと思います。パン屋さんを出そうと思ったから読んでいたのか、読んだからパン屋が出てくることになったのかは忘れましたが、前者かも。
恋愛にもいろいろありますが、とにかくだめな人たちを書きたいと思っていたことを覚えています。恋をしているだめな人たち。ロマンチックではない、ろくでもない恋を書きたかったんですね。「恋愛」ってなんだかすてきな言葉、みたいなイメージが嫌だったのかもしれません。
しかし次第に書くうちに、これは恋なのか?という疑問が膨らんでいきました。どれもこれも、本当に恋なんだろうか? そもそも恋って何なのかな、と。
それなのにタイトルに「恋愛」が入るとはなかなか皮肉なものですが、たぶんもう私はこうした、恋のようなものにはまりこむ人が出てくるものを書くことはないような気が、今はしています。
わからないけど。
次も早く完成させたいな。ずっと書いていけるのかはわからないけれど、いつかずっと先にまた恋のようなものについて書きたくなったら、今回の小説とはまるで別のものになるのでしょう。今しか書けないものを惜しみなく書いていきたいと思います。