うみゆり日記(新)

錦見映理子の日記です

女と子供

花ちゃんのことショックを受けてTwitterにいろいろ書いてしまった。

しばらく仕事が手に付かず。もういい加減にしてほしいと思うが、誰に向かってそう言えばいいのかもわからない。たぶん激しいバッシングしていた人たちもみんなそのへんにいるような普通の子たちなんだろう。

 

若い女と子供。「フロリダ・プロジェクト」でもそれが最下層でいかに厳しいことになるかが描かれていたが、たとえ映画のなかであろうと彼女たちを抑圧したくない、という作り手の思いを感じていた。ああいう現実の描き方にものすごく共感したのだった。そんなわけで逆説的でもあるキーワードを提出。でもそういうことはラジオでほぼ話さなかった。自分の創作姿勢にも関わる感想だったし、そこまで言わずともわかるだろうと思ったし、観たひとにそれぞれ感じて欲しかった。

でも感じられない人もいるのかもしれないし、それはもしかして自分が思っているより多いのかもしれない。

そのへんがよくわからない。けど、まあ、その日の自分を信じて喋るしかないかな。迷いが常にあるけれども。前日に何度も修正しながら話してみてはいるのだが、起きて朝になって直前にしゃべってみると、なんかここ違う、ってなってぎりぎりまで直したりしていることが多い。声に出してみると書いたものに違和感があったりするの、あれは何だろうね。じゃあ書いたものが嘘なのかというと、そうではないんだけれども。読む言葉と聞く言葉では体との近さが違うからかもしれないな。

散文と韻文の違いに近いような気も。

しかし韻文である短歌も、ラジオで読むとなると普段の作り方とちょっと変えないといけなかったるする。

少しだけ変えて読んだりしているものもある。文字で出すときとは違う。

こういう諸々のことが、今後の自分の書くものに何か影響するのかはまだよくわからない。嫌でも影響してくることになるだろうけれど。